INTRODUCTION

テロリストへの復讐に燃え、
CIAにスカウトされた青年
その想像を絶する運命を
壮大なスケールで描くスパイ・アクション

南欧でのバカンス旅行中に無差別テロ事件に遭い、永遠の愛を誓ったばかりの恋人を殺されたアメリカ人青年ミッチ・ラップ。凄まじい怒りと悲しみに駆られ、テロリストへの復讐に人生を捧げることを決意した彼は、その潜在能力を高く評価したCIAの対テロ極秘スパイ・チームにスカウトされる。元ネイビー・シールズの鬼教官ハーリーのもとでハードな特訓を積んだミッチは、ロシアから流出したプルトニウムで核兵器製造をもくろむテロリストの陰謀を阻むため、ヨーロッパでのミッションに身を投じていく。しかし正体不明で神出鬼没のテロリスト“ゴースト”に翻弄されたミッチは、恐るべき核テロのカウントダウンが刻まれるなか、自らの真価を試される最大の試練に直面するのだった……。

累計売上げ2500万部を誇るヴィンス・フリンの全米ベストセラー小説“ミッチ・ラップ”シリーズを初めて映画化した『アメリカン・アサシン』は、世界最大の諜報機関CIAにスカウトされた若き主人公ミッチのファースト・ミッションを描くサスペンス・アクション大作だ。最愛の女性との幸福な未来を打ち砕かれたごく普通の青年が、テロリストへの復讐心に取りつかれ、核テロの脅威に立ち向かっていく激動の運命を描出。イスタンブールやローマなどのヨーロッパ各国の大都市を舞台に、複雑な国際情勢や諜報活動の内幕をリアルに見せる映像世界は、壮大なスケールのストーリー展開と相まって圧倒的なスリルを呼び起こす。トム・クランシー原作の“ジャック・ライアン”シリーズ、ロバート・ラドラム原作の“ジェイソン・ボーン”シリーズの系譜を受け継ぐ、新たなスパイ・アクションの快作がここに誕生した。

ディラン・オブライエン、
マイケル・キートンが火花を散らす
無鉄砲な新人スパイ×
鬼のような指導官のバディムービー

主人公ミッチの目的は、あくまでCIAの巨大な組織力を利用してテロリスト抹殺という“私怨”を晴らすこと。一方、核テロ阻止を最優先するCIAにとって、ミッチは使い捨てのコマにすぎない。そんな両者の思惑が緊迫感たっぷりに錯綜するドラマを牽引するのは、世代の異なるふたりの主演スターだ。『メイズ・ランナー』シリーズの主役に抜擢され、一躍ハリウッドの若手有望株として脚光を浴びたディラン・オブライエン。そして『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、『スポットライト 世紀のスクープ』『スパイダーマン:ホームカミング』も記憶に新しいマイケル・キートンである。

オブライエン扮するミッチはスパイとしての資質は抜群だが、経験が浅いうえに無鉄砲な性格で感情の振れ幅も大きい。キートン演じるハーリーは海千山千のチーム・リーダーで、私情こそが任務の妨げになるという鉄のようなポリシーの持ち主だ。いわば復讐に燃える“炎の男”と、冷徹にして厳格な“氷の男”。この何もかも対照的なふたりのキャラクターが命がけのミッションの中で成長と変化を遂げ、いつしか師弟の絆で結ばれていく物語には、熱い興奮を誘うバディムービーの魅力も息づいている。スパイにふさわしいディテールを体得するために、ブートキャンプで役作りを行ったオブライエンとキートンの熱演からも目が離せない。

世界中の多くの愛読者が待ち望んでいた“ミッチ・ラップ”シリーズの映画化に挑んだ監督は、TVシリーズ「HOMELAND」の演出を手がけたマイケル・クエスタ。さらに『ラスト サムライ』『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』の名匠エドワード・ズウィック、「ジ・アメリカンズ」のスティーヴン・シフらが脚本チームに名を連ね、現代的なリアリティとスペクタクルがほとばしる本作の骨格を支えている。